2007.5.21 SASA Japanの田辺様ご推薦の新刊書籍です
さて、今回、チャールズ・パターソンの「永遠の絶滅収容所」、戸田清訳(Charles
Patterson, Eternal Treblinka)ご紹介できることをとても嬉しく思います。チャールズ・パターソンの著書、「永遠の絶滅収容所」はとび抜けて素晴らしい本です。これまでどこの国でもタブーとされていた、人間をあるがままの姿で描くということをやってのけました。すなわち長い歴史を通じて人間を、同じ人間のみならずもっと多くの動物たちも虐待してきた「動物」として描いたのです。そのような虐待の最大のものとしてホロコースト(ナチスによるユダヤ人大虐殺)、及び動物の大量虐殺を取り上げています。
パターソンはこの本の中でとりわけノーベル賞作家であるユダヤ人、イサーク・バシェヴィス・シンガーを引き合いに出し、「動物にとっては毎日がトレブリンカなのだ。」という彼の有名な言葉を引用しています。この本はまた彼に捧げられたものでもあります。
パタ−ソンはしかし、歴史家としてまたホロコ−スト研究家としてその背景をよく探求し、納得のいくように今日の状況と関連づけています。真相を暴き、何人も容赦せず、ある章では日本の歴史に関する、これまで言及をはばかられてきた部分にも触れています。
またこの本の特異性は、その成立過程からも明白に見て取れます。パタ−ソンは4年をかけてこの本を執筆しましたが、これを著名な歴史家として出版しようとしたとき、この原稿は82のアメリカの出版社から拒否されました。このような物議をかもす著作は引き受け手がなかったのです。
しかし2002年になってようやく出版にこぎつけるや、瞬く間に世界中に広がりました。これまでドイツ語、イタリア語、チェコ語、ポ−ランド語、クロアチア語、ヘブライ語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語日本訳され、今ここに日本語版が出来上がったのです。
2年前にパタ−ソンさんと知り合った時、本を出版することを考え始めたのですが、アメリカと同じ様に日本の出版社も、ご協力を頼んだ翻訳者も、著書の内容に尻込みして協力を断られたのでした。
ようやく、長崎大学環境科学部準教授の戸田清先生(シンガ−の名作「動物の解放」等の翻訳者)に御翻訳いただき、緑風出版社から出版していただくことによって、日本でもこの歴史的な本の出版を実現できました。思っていたより大きなプロジェクトで、地球生物会議(ALIVE)の東さんと宮路さんも手伝っていただきました。
決して読みやすい本とは言えないのですが、シンガ−やレ−ガンと並んで動物権の基本書となる著作だと言うことは確かです。 是非お読みになってみてください。